個人事業主が、KindleやAmazon、楽天、メルカリ、その他ECや電子出版サイトの「売れ線」を分析したい
個人事業主が、KindleやAmazon、楽天、メルカリ、その他ECや電子出版サイトの「売れ線」を分析したい──
そのとき、Go言語とPythonどっちが役に立つのか? そしてどう使えばいいのか?
ブログ記事っぽく整理してみます。
1. まず、「売れ線分析」でやりたいことを整理しよう
EC・電子出版まわりの売れ線分析で、やりたいことはだいたいこんな感じになります。
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ランキングや売れ筋商品を定期的にチェック
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Amazon・楽天ランキング、Kindleストア、メルカリの人気カテゴリなど
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タイトル・説明文・ジャンル・価格帯・レビュー数などをデータ化
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売れ筋の共通点を探す
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よく使われるキーワード
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強いカテゴリ・サブカテゴリ
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価格帯・ページ数・画像の雰囲気 など
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自分の商品・本と比較して改善ポイントを洗い出す
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「価格が高すぎる?」「説明文が弱い?」「サムネが浮いてる?」など
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時系列でトレンドを見る
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月ごとの売上・DL数
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キャンペーン実施前後の変化
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ライバル商品の増減
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この「データ収集」「分析」「可視化」を支える道具として、PythonとGoが候補になる、という構図ですね。
2. Pythonの強み:個人事業主の“売れ線研究マシン”
2-1. データ分析系ライブラリが圧倒的
Pythonはとにかくデータ分析まわりの道具が揃いすぎている言語です。
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requests+BeautifulSoup:Webページ取得・HTML解析 -
pandas:CSVやExcelの読み書き&集計 -
matplotlib/plotly:グラフ・可視化 -
scikit-learn:機械学習(キーワード分析やクラスタリングなど)
個人事業主レベルの売れ線分析なら、
「まずPythonひとつで、取得 → 整理 → 分析 → グラフ」
まで一気にこなせる
というのが一番大きいメリットです。
2-2. 学習コストが低い&日本語情報が多い
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文法がシンプル
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「Python 〇〇 やり方」で検索すると日本語の記事が山ほど出る
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EC・スクレイピング・データ分析系のサンプルも多い
「本業は物販・執筆だけど、ちょっとコードも触ってみたい」という
“片手間エンジニア”スタイルと相性が良いのがPythonです。
2-3. サイトごとの使い方イメージ(Python)
※どのサイトも、利用規約・API利用条件・robots.txtは必ず確認&順守が大前提です。
■ Kindle / KDP
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KDPの売上レポートやロイヤリティレポートをCSVでダウンロード
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Pythonの
pandasで読み込み-
月別売上
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本ごとの売上ランキング
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キャンペーン前後の売上比較
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グラフ化して、「どのジャンル・価格帯が自分にとって神だったか」を確認
■ Amazon / 楽天
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公式の**商品API(Amazon PA-API、楽天APIなど)**を利用
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指定キーワードのランキング・価格・レビュー数を取得
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カテゴリごとの平均価格・平均レビュー数を集計
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「1,000〜1,500円帯が一番レビュー数が厚い」など、価格戦略のヒントを得る
■ メルカリ・ネットオークション
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自分の出品履歴・取引履歴をCSVに落とせるなら、それをPythonで解析
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回転率の良い価格帯
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利益率の高いカテゴリ
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値下げしたタイミングと売れたタイミングの関係 など
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■ その他の電子出版サイト
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アクセス・DL数・売上の管理画面から
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数字をコピペ → CSV化、もしくは
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公式API・エクスポート機能があればそれを活用
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Pythonで一つの表に統合して、「プラットフォーム横断の売れ線」を眺める
3. Go言語の強み:自動化・高速処理の“仕組みづくりマシン”
一方、Go言語は**「システム側」「インフラ側」に強い**言語です。
3-1. 高速・省メモリ・並列処理が得意
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コンパイル言語なので実行が速い
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goroutineで多数の処理を並列に回せる
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サーバー常駐プログラムやWeb APIを作りやすい
例えば:
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毎日決まった時間に複数のECサイトのランキングデータを取得
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常に最新データをデータベースに貯めておきたい
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自分専用の「売れ線ダッシュボードWebサイト」を作り、スマホからも確認したい
こういう**“自動化・常駐・高負荷対応”**には、Goはとても相性がいいです。
3-2. ただし単体でのデータ分析は少し不便
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データ分析系のライブラリは、Pythonほど豊富ではない
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集計・可視化は、別ツール(BIツール、スプレッドシート、Pythonなど)に任せることが多い
つまりGoは、
「データを集めてためる係」
「Web管理画面やAPIを提供する係」
として優秀で、
実際の“分析・研究”はPythonや他ツールに任せる構図が多いです。
4. 結論:売れ線“研究”ならPython、売れ線“監視システム”ならGo
個人事業主目線でまとめると、こうなります。
4-1. まず1本選ぶなら → Pythonが先
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売上・ランキング・レビュー数を研究・分析するフェーズでは、
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Pythonのほうが
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学びやすい
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分析の道具が揃っている
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情報量が多い
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「CSVを読み込んでグラフ化」「ランキングを集計して傾向を見る」
こうした作業はほぼPythonの天下です。
4-2. Goが光るシーン
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データが増えすぎて、もっと自動・高速・安定稼働させたいとき
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毎日・毎時間クローラーを回したい
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VPSやクラウド上で常駐プログラムとして動かしたい
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自分やスタッフが使う専用ダッシュボードをWebで提供したい
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そういう“システム屋さん視点”が強くなったところで、Goの出番が来ます。
5. Pythonで始める「売れ線分析」ワークフロー例
ここからは、実際の流れイメージをざっくり。
ステップ1:データを集める
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各サービスからレポートやデータを取得
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KDP:売上レポートCSV
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Amazon/楽天:公式APIで商品情報
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メルカリ:自分の取引履歴(手動CSV化でも可)
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Pythonで
pandas.read_csv()して、表形式のデータにする
ステップ2:データを整える
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不要な列を削る
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価格・手数料・送料から実質利益を計算する列を追加
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タイトルや説明文の長さ(文字数)を計算
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日付から「月」「曜日」を切り出す
ステップ3:分析する
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売上の多い順に並べて、売れ筋商品トップ100を確認
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価格帯別の売上(ヒストグラム)を出して、
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「自分の強い価格帯」「戦っちゃダメな価格帯」を見つける
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カテゴリ・ジャンルごとの売上
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Kindleならジャンル別・サブジャンル別の売れ行き
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メルカリならカテゴリ別回転率
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キャンペーン前後の比較
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クーポンやセールを打った日付で区切ってグラフ比較
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ステップ4:可視化する
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matplotlibなどで折れ線グラフ・棒グラフ -
「売上の山」をカレンダーと照らし合わせて
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広告を打った日
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Xで告知した日
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セール最終日 などと重ねて考える
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ここまでできると、
「感覚で『これ売れそう』」から
「数字で『これは売れている/伸びてきている』」
に変わり、戦略の精度がグッと上がります。
6. Go+Pythonの二刀流:仕組みと分析を分業する発想
将来的に「もうちょっとガチでやりたい」と思ってきたら、
GoとPythonを使い分ける二刀流もアリです。
Goの担当
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毎日決まった時間に各APIを叩き、ランキングや売上を取得
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データベース(MySQL/PostgreSQLなど)に保存
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「最新売れ線データをJSONで返すAPI」や
「ブラウザで見られる簡易ダッシュボード」を提供
Pythonの担当
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Goが貯めたデータベースからデータを読み込み
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重い集計・機械学習・自然言語処理(キーワード分析など)を行う
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結果をレポートやグラフにして自分用ノート・ブログ下書きに活用
こうしておくと、
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Go:24時間働く“データ収集サーバー”
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Python:じっくり分析する“研究室”
という分業体制ができて、
個人事業でもかなり本格的な「売れ線レーダー」を作ることができます。
7. まとめ:個人事業主が選ぶべき順番
最後にポイントだけギュッと。
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第一言語として選ぶなら → Python
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売れ線分析=データ分析なので、Pythonの得意分野ど真ん中
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CSV・Excelと組み合わせるだけでもかなり戦える
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Goは「24時間自動監視システム」を作りたくなったら
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クローラー・常駐プログラム・自前ダッシュボードで真価を発揮
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戦略としては、
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Pythonで「売れ線研究」を始める
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慣れてきたら、必要に応じてGoで「売れ線監視システム」を作る
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こんな順番が、
KindleやAmazon、楽天、メルカリ、電子出版サイトで戦う個人事業主にとって、一番現実的なルートだと思います。
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