クラフト酒とは!
最近、酒屋さんやおしゃれなレストランで「クラフトサケ(クラフト酒)」という言葉を目にする機会が増えていませんか?
クラフトビールやクラフトジンに続き、今、日本酒の世界でも「クラフト」の波が押し寄せています。しかし、実は「日本国内のクラフトサケ」と「海外のクラフトサケ」では、その成り立ちや意味合いが大きく異なるのをご存知でしょうか。
今回は、現在急成長している「クラフト酒」の世界について、日本と海外の現状、そして決定的な違いをわかりやすく解説します!
1. 日本の現状:法律の壁を逆手に取った「新しいお酒」
日本における「クラフトサケ」ブームは、実は「法律の壁」から生まれました。
現在、日本では需給調整の観点から、新しく「清酒(一般的な日本酒)」の製造免許を取得することが事実上不可能となっています。つまり、どれだけ熱意があっても、ゼロから新しい日本酒の蔵を立ち上げることはできません。
そこで、新世代の醸造家たちはクリエイティビティを発揮しました。
米と米麹を発酵させる日本酒の伝統的な製法をベースにしながらも、発酵の過程でフルーツやハーブ、ボタニカル(植物)、さらにはビールのホップなどを加えるという手法をとったのです。
これにより、税法上は清酒ではなく「その他の醸造酒」という免許のカテゴリーに入ることになり、新規参入が可能になりました。「WAKAZE」や「haccoba」「稲とアガベ」といった気鋭の酒蔵がこのジャンルを牽引し、従来の日本酒にはない華やかな香りや味わいで、若者や普段日本酒を飲まない層から熱狂的な支持を集めています。
2. 海外の現状:自由な発想で広がる「ローカルSAKE」
一方、海外(アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど)における「クラフトサケ」は、少し状況が異なります。
海外では日本のような厳格な清酒製造免許の制限がない国が多く、免許さえ取得すれば堂々と「清酒(SAKE)」を名乗るお酒をゼロから造ることができます。
現在、ニューヨークの「Brooklyn Kura(ブルックリン・クラ)」や、ロンドンの「Kanpai London(カンパイ・ロンドン)」など、現地の若者が立ち上げたマイクロブリュワリー(小規模酒蔵)が世界中で急増中です。
彼らは、現地の水や独自の酵母、時には現地の食用米を使い、伝統的な日本の技術をリスペクトしながらも、「ワイン樽での熟成」や「現地の食文化に合わせたドライな味わい」など、非常に自由でボーダーレスなSAKEを生み出しています。和食ブームの枠を超え、現地のレストランでワインと並んで楽しまれる新しいジャンルとして定着しつつあります。
3. 日本と海外の決定的な「3つの違い」
ここまでの現状を踏まえ、日本と海外のクラフトサケの違いを整理してみましょう。
| 日本国内の「クラフトサケ」 | 海外の「クラフトサケ」 | |
| 法律と免許 | 新規の「清酒」免許が取れないため、**「その他の醸造酒」**として造られる | 国によるが、免許を取得すれば**「清酒(SAKE)」**として造ることができる |
| 製法と原材料 | 日本酒の製法をベースに、フルーツやハーブなどの副原料をあえて加える | 現地の水や米を使い、伝統的な「SAKE(米・米麹・水)」の製法で造るケースが多い |
| カルチャー | 「日本酒離れ」を食い止め、新しい味覚で若い世代や新規層を開拓するアプローチ | ワインやクラフトビールに次ぐ**「新しいローカルのお酒」**として、現地文化と融合するアプローチ |
まとめ:逆境が日本の酒文化をアップデートした
日本のクラフトサケは、「免許が取れない」という厳しい逆境があったからこそ、副原料を組み合わせるというこれまでにない自由で新しいお酒のジャンルを生み出しました。
そして海外では、日本の伝統に縛られない自由な発想で、世界各地のテロワール(風土)を反映した「現地のSAKE」が次々と生まれています。
現在では、日本のクラフトサケ醸造所が海外に進出したり、海外の技術が日本に逆輸入されたりと、刺激的な交流も始まっています。伝統的な日本酒の素晴らしさとはまた違う、進化を続ける「クラフト酒」の世界。酒販店やオンラインショップで見かけたら、ぜひそのボトルに詰まった「挑戦のストーリー」と一緒に味わってみてください!

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