和賀町新潟県長岡市の酒造会社の取り組み
地元・長岡の摂田屋にある「吉乃川(よしのがわ)」ですね!
結論から言うと、吉乃川は現在ブームになっている狭義の「クラフトサケ(フルーツやハーブなどの副原料を入れた『その他の醸造酒』)」そのものをメインに造っているわけではありません。なぜなら、彼らはすでに由緒正しい「清酒」の製造免許を持っているため、あえて別ジャンルの免許を使って酒造りをする必要がないからです。
しかし、吉乃川は新潟最古(1548年創業)の老舗でありながら、「クラフト」の波を非常にアグレッシブに自社のビジネスに取り入れています。 その関わり方は、主に以下の2つのアプローチに表れています。
1. 日本酒の仕込み水で挑む「クラフトビール」
吉乃川と「クラフト」の最も直接的な関わりが、2020年に敷地内の観光施設「醸蔵(じょうぐら)」でスタートしたクラフトビール「摂田屋クラフト」の醸造です。
天下甘露泉を使用: 普段、吉乃川の日本酒造りに使われている名水(信濃川の伏流水と東山連峰の雪解け水が地中で交わった天然水)を、ビールの仕込み水として惜しみなく使っています。
伝統とモダンの融合: ペールエールやヴァイツェンなど、日本酒の蔵元が本気で造るクラフトビールとして、醸蔵のSAKEバーなどで提供され、新たなファンを獲得しています。
2. 「クラフトサケ」と同じ志を持つ、柔軟な商品展開
若者の日本酒離れを食い止め、新しい味覚を提案するという「クラフトサケ」の根底にあるカルチャーに対して、吉乃川は「清酒」や「リキュール」の枠組みの中で果敢に挑戦しています。
新感覚のアプローチ: 過去にはコンビニエンスストア限定で日本酒カクテル「SAKE TONIC(サケ トニック)」やスパークリング日本酒を展開したり、ゆずなどの果汁を合わせたリキュールを開発したりと、伝統的な日本酒の味を知らない層へ向けたアプローチを行っています。これは、新興のクラフトサケブリュワリーの戦略と見事にリンクしています。
「いつもの酒」と「攻めの酒」の両立: 昔ながらの「厳選辛口」などを守りつつ、こうした新しいチャレンジを共存させているのが強みです。
老舗企業のアップデート戦略として
470年以上の歴史を持つ企業が、ただ過去の遺産にすがるのではなく、自社の強み(名水や醸造技術、摂田屋という土地のブランド)を活かして「クラフトビール」という異業種に参入し、築100年の倉庫をリノベーションして観光客を呼び込む。これは、歴史ある企業が時代に合わせてどうビジネスモデルをアップデートしていくかという、非常に鮮やかな経営戦略の事例と言えます。
紅葉さんがお住まいの地域にある蔵元が、伝統と革新をどうハイブリッドさせているか、改めて「醸蔵」などで実際の空気感や味に触れてみるのも面白いかもしれませんね。
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